海外出張中、コレクトコールが誘拐事件に発展!?出張者の家族が知っておきたい【最低限の】英会話フレーズ
赤点から英検1級に合格した、英語教材オタクの「あねご」です。
英会話学校の講師、外資系企業の社内通訳・翻訳の経験を経て、現在は英語教材の企画・制作に携わっています。
私はこれまで、北米、マレーシア、中国、韓国へ出張したことがあります。海外出張が決まると、出張者自身は英語を勉強しようという意識が高まりますが、ご家族まで英語を勉強しておこうという流れにはならないのが普通ではないでしょうか。
この記事では、私の北米出張中に実際に起きた「日本にいる家族に英語が必要となった場面」と、その経験から学んだ「海外出張中に家族に知っておいてもらいたい英会話フレーズ」をご紹介いたします。
- 北米出張中、日本にいる家族に英語が通じなくて困った話
- 海外出張者の家族に知っておいてもらいたい【最低限の】英会話フレーズ
まずは、あわや大事件に発展する可能性もあった北米出張中の出来事についてお話します。事のてんまつはこうです・・・
北米の子会社に通訳として同行
私もまさか自分が北米出張中に、日本で待つ家族に英語が必要になる場面が訪れるとは、つゆほども想像していませんでした。
自動車の部品製造会社で役員秘書をしていたときのことです。
北米の子会社で品質の講義をおこなうことが決まり、子会社のあるテネシー州のナッシュビルへ副社長が直々に出向くことになったため、私も通訳として同行することに。
子会社への訪問は、迎える側が全員フレンドリーでアウェイ感がなく、同行通訳者としては、気楽な海外出張になるはずでした。
実際、本社の副社長のお出ましとあって、空港への送迎はもちろん、豪華レストランでの昼食会や夕食会と、終始、手厚いおもてなしムード一色でした。


日本へコレクトコールを掛けることに
豪華な中華レストランでの夕食会が終わり、午後9時を回る頃、ようやくホテルに到着。
部屋に入り荷ほどきをしたところで、アメリカに無事に到着したことを両親に伝えようと、実家に電話を掛けることにしました。
ここでひとつ問題発生。宿泊者が電話代を踏み倒すケースが多発しているそうで、国際電話はオペレーターを通したコレクトコールのみ可とのこと。
割高にはなりますが、仕方なく日本へコレクトコールすることに。まさかこの後、あんな事態が起ころうとは、この時点ではまだ予想もしていませんでした。

スマホは持ってなかったの?

まだガラケーの時代だもん。海外出張用の携帯電話もあったけど、役員クラスしか持たせてもらえなかったんだよね。
母に英語が通じない!
さっそく実家へコレクトコールしようと、オペレーターに実家の電話番号と私の名前を告げました。

I’d like to make a collect call to Japan.
日本へコレクトコールをお願いします。

Please say your name after the tone.
発信音の後に、ご自分の名前を言ってください。
自分で自分の名前を発音するのは、その部分を録音して受信者に確認するため。オペレーターが外国人の名前を正しく発音するのは確かに難しいのでとても合理的。
録音が終わると、さっそく日本につながったようで、母の声が聞こえてきました。この時点では、私には母の声が聞こえますが、オペレーター越しのため、私の声は母にはまったく聞こえていません。

I have a collect call from “あねご(私の声で).“ Would you accept the call?
(あねご)からコレクトコールです。おつなぎしてもよろしいですか?

え?英語?でも、あの子の声が聞こえたみたい・・・
ねえ、お父さん、あの子、誘拐されたんじゃ・・・
母のその言葉を聞いて、私の顔が青ざめたのは、説明するまでもありません・・・。
コレクトコールを受けるには、英語力が必要
なすすべもなく電話の前で立ち尽くす私に向かって、オペレーターがこう言いました。

あなたのお母さんには英語が通じないから、コレクトコールは無理だと思うわ。
ごもっとも。でもこのまま電話を切れば、母が警察に電話を掛けるかもしれない。いや、多分そうするはず。
なんとかしなければと、「Say yes.って言ってもらえないですか?」とオペレーターに懇願しました。
すると、「強要になるからそれはできない」と即却下されました。(またしても、ごもっとも)
なおも食い下がり、「お願いだから、もう一度だけトライしてみてくれませんか?」と言うと、オペレーターは渋々といった様子で、先ほどと同じセリフを繰り返しました。

(あねご)からコレクトコールです。おつなぎしてもよろしいですか?
そこで奇跡が起こります。
「電話をかしてみろ!」という父の声がしたのです。
すると次の瞬間、受話器の向こうから
「イエーーーース!!!」
という父の怒号のような声が聞こえました。
こうして父が「イエス」と答えてくれたおかげで、無事に母と話すことができ、警察に通報されずにすんだのでした。
出張者の家族が知っておきたい【最低限の】英会話フレーズ
この体験から私が得た教訓は、海外出張するときには、家族も多少の英会話フレーズを知っておいた方が安心ということです。
- 海外出張・海外旅行中に、トラブルに巻き込まれたとき
- 日本にいる家族に英語で電話がかかってくる可能性もゼロではありません。
- 日本にいる家族に緊急の事態が起こったとき
- 日本から出張者に連絡を取るために、滞在先のホテル等へ電話をしたいケースがあるかもしれません。
有事のときには、スマートフォンがあるから絶対に大丈夫ということはないはず。
家族で連絡を取り合うことができるように、最低限の英会話フレーズを知っておくことで、まったく準備をしていないのとは、大きな差が生まれると思います。
この北米出張以降、私が海外出張に旅立つ前に、家族に渡すようになった英会話フレーズがこちらです。
- どちら様ですか。
- May I ask who’s calling?
- お名前をもう一度言ってもらえますか。
- Could you say your name again?
- あなたの電話番号を教えてください。
- What’s your phone number?
- もっとゆっくり話してくれませんか。
- Could you speak more slowly?
- 今言ったことの綴りを教えてください。
- Could you spell what you said?
- 私は彼女/彼の父です。
- I’m her/his father.
- 彼女/彼に私の伝言を伝えてもらえませんか。
- Could you give her/him my message?
- 私に大至急電話をするように伝えてください。
- Please tell her/him to call me ASAP.
ASAPは、「エーエスエーピー」と読みます。as soon as possibleの略
- Please tell her/him to call me ASAP.
- 私の電話番号は、123-4567です。
- My number is 123 4567.
- “あねご・えいご”と話したいのですが。彼女/彼はそちらのホテルに滞在しています。
- I’d like to speak to あねご・えいご. She/he’s staying at your hotel.
- (あねご)からコレクトコールです。おつなぎしてもよろしいですか?
- I have a collect call from “あねご.” Would you accept the call?
- はい、(コレクトコールを)受けます。
- Yes, I would.
さいごに
たった12フレーズですが、たくさんあっても覚えきれないし、いざというときに混乱してしまうため、最低限に絞りました。
私は、海外出張に出かける前に、このリストを家族に必ず渡しています。私の出張中、我が家ではこのリストが冷蔵庫に貼られているようです。
もちろんこのフレーズだけでじゅうぶんというわけではありませんが、海外出張の準備の際、なにかのお役に立てればうれしく思います。


